職場で、自然と話すようになった人がいました。
部署も仕事内容も違うけれど、朝ロッカーで顔を合わせることが多く、自然と挨拶をするように
なりました。
仕事帰りが一緒になる日もあり、お互い小さい子どもを育てながら働いていることもあって、
仕事と子育ての悩みを少しずつ話すようになっていました。
そんな彼女から、ある日、思いがけない言葉を聞きました。
「3月31日で、辞めるんです」
最近、福祉の現場では「良い人ほど辞めていく職場」という言葉を耳にすることがあります。
実際、何度もその場面を見てきました。そして、この日また、実感することになりました。
良い人ほど辞めていく職場で起きた出来事
彼女は、私より2年前に他の会社から転職してきたそうです。
私が異動してきた頃は、毎日残業が続いていました。
彼女も同じように残業が多く、ロッカーで着替えるときに一緒になることもありました。
仕事の悩みを少し話したり、励まし合ったりしていました。
そんな共通点もあり、短い時間でも、どこかほっとする時間でした。
「3月で辞めます」と聞いた日
最近は、なかなか話す機会がありませんでした。
そんなある日、昼休みに廊下で偶然会いました。
「元気ですか。」
そう声をかけると、彼女は少し迷うようにして言いました。
「実は、3月31日で辞めるんです。」
本部の仕事は残業が多く、周りからはこう言われていたそうです。
「本部は、なんでもできなきゃだめ」
「今やっていることだけではだめ」
自分の不甲斐なさも感じていた、と彼女言いました。
でも、本音は別のところにありました。
職員を大切にしない職場
彼女が最後に言った言葉が、強く心に残りました。
「ここは、職場を大切にしないってわかったんです。」
会社に従うのが当たり前。
合わない方が悪い。
どこかドライで、割り切った雰囲気。
会社が一番で、職員はそれに合わせる側。
人を人として扱わない職場の空気に、耐えられなくなったそうです。
その言葉を聞いたとき、私は思いました。
「ああ、やっぱり同じことを感じていたんだ」
福祉の職場なのに、優しくない
私も異動してきたとき、同じような違和感を感じていました。
福祉の仕事なのに
職員に優しくない。
異動したきたとはいえ、新人と同じように何もわからない。
でも、「教えてあげよう」「ウエルカム」なんて雰囲気は全くありませんでした。
実は、名札も用意されていなかった…。
本当は苦しかったですが、心を切り離して働いてきました。
「利用者のために私はここにいる」
と目的を何度も思い返し、割り切ることで、なんとか乗り越えてきました。
今は、人手不足の時代です。
働き手が辞めないように、会社が工夫している職場も増えているとききます。
それなのに、この職場は逆の方向に進んでいるように感じます。
だからこそ、
良い人ほど辞めていく職場になってしまうのかもしれません。
「ずっと孤独だった」という言葉
職場で孤独を感じながら働いている人は、きっと少なくないのだと思います。
彼女は最後にこう言いました。
「ずっと孤独だったんです。」
そして、
「ぷつんと、何かが切れてしまった」
その言葉が、強く心に残りました。
私も異動したばかりの頃、同じように感じていたからです。
「頼る人はいない、ひとりでなんとかしなきゃ」
そう思いながら働いていました。
守っているものが違うのかもしれない
守っているものが違うのかもしれない
良い人材は、辞めていく。
それを見ながら思いました。
この職場はいつまで同じことを繰り返すんだろう。
ただ、ひとつ感じたことがあります。
この場所は、守っているものが違うのかもしれない。
大事なものが違うのかもしれない。
会社を守るのか。
働く人を守るのか。
経費削減が大事か。
働きやすい環境が大事か。
その違いが、職場の空気に表れている気がしました。
まとめ
同僚の言葉が、今も心に残っています。
「ずっと孤独だった。」
その言葉は、本質をついた言葉だと感じました。
この職場の空気の中で働き続けることが、どれほど孤独だったのか。
そう思うと、決断した彼女はすごいなと思いました。
福祉の仕事は、人を支える仕事です。
でも、その職場が働く人を支えていなかったら。
良い人ほど辞めていく職場は、きっとこれからも同じことを繰り返してしまうかもしれません。
大事なことに気がつかない限り。
心が揺さぶられ、そんなことを考えた1日でした。

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