職場で、『真面目に働く人ほど仕事が増える』と感じ
たことはありませんか?
「真面目に働いていれば、いつか報われる」
私は長い間、そう思って働いてきました。
頼まれた仕事は断らない、
困っている人がいれば手伝う。
自分の仕事が残っていても、必要なら引き受ける。
でも、長く働く中で気づいたことがあります。
真面目に働くことと、自分をすり減らして働くこと
は違う。
頑張れば頑張るほど仕事が集まり、いつの間にか
「やってくれる人」になってしまうこともあります。
この記事では、福祉の仕事を20年以上続けてきた
私が、なぜ仕事を抱えるようになったのか、そして
働き方を見直すまでに気づいたことを書きました。
「真面目に働く人ほど仕事が増えるのはなぜなのか。」
私自身の経験が、同じように悩んでいる人にとって
自分の働き方を見直すきっかけになればと思います。
真面目に働く人ほど、気づくと仕事が増えていく
特養の相談員として働いていると、「気づくこと」
が仕事につながる場面がたくさんあります。
たとえば、利用者さんの発熱が続いていたときのこ
とです。
高齢者の場合、発熱をきっかけに肺炎になったり、
ご飯が食べられなくなったりして、一気に状態が
悪化することがあります。
そのとき私は、
「もしこのまま悪化してから初めて家族に連絡したら、どう思うだろう」
と考えました。
家族からすれば、突然「状態が悪くなりました」
と言われたら、
「えっ、なんで急にそんなに?」
「もっと早く連絡してくれたら…」
と思うのではないでしょうか。
そうなる前に、今の状態を伝えておこう。
誰かに言われたわけではなく、自分でそう考えて
家族へ連絡しました。
ショートスティを担当している時も同じです。
相談員は、何かあったときに家族やケアマネジャー
、往診の医師などと連絡を取る窓口になります。
でも、私自身が利用者さんの普段の様子を知らなけ
れば、相手にきちんと伝えることができません。
記録を読んでいるだけでは、わからないこともあり
ます。
実際に本人のところへ足を運んでいるからこそ、
「今日はいつもと少し違う」
と気づけることがあります。
介護職や看護職など、現場の職員との連携にも
つながります。
私は、ショートスティの利用が始まったら、
「あとは現場にお任せ」という関わり方が好きでは
ありません。
だから、できるだけ自分でも様子を見に行きます。
報告を待つだけでは、わからないこともある。
仕事をしていると、
「どうしてもっと早く報告してくれなかったの?」
という言葉を耳にすることがあります。
もちろん、必要な報告は大切です。
でも私は、報告を待つだけではなく、自分から情報
を取りに行くことも必要なのではないかと思ってい
ます。
記録を見る。
利用者さんのところへ足を運ぶ。
介護職や看護職と話す。
そうやって自分から情報を取りに行けば、報告される
前に気づけることもあります。
特に相談員は、家族やケアマネージャー、医療職な
ど、さまざまな人との間に立つ仕事です。
だから私は、「報告がなかったから知らなかった」で
終わらせるのではなく、自分から状況を知ろうとす
ることを大切にしてきました。
もちろん、そこには時間がかかります。
そして、実際に足を運べば、もともと確認しようと
思っていたこととは別のことにも気づきます。
気づけば、そこからまた新しい仕事ができます。
気づけることは、仕事をする上で大切な力です。
でも、気づいたことすべてを自分で引き受けていた
ら、仕事はどんどん増えていく。
私は長く働く中で、そのことにも気づくようになり
ました。
やることの順番を決めても、予定外の仕事が次々と
入れば、思うようには進みません。そんな経験から
考えた「優先順位を決めても仕事が終わらない理由」
については、別の記事でも書いています。
👉「優先順位を決めても仕事が終わらない理由」
真面目に働いているのに、なぜか自分だけが疲れていく

「今日は退所した利用者さんの事務処理や、たまっているファイル整理をまとめて終わらせよう」
そう思って仕事を始めても、予定通りに進まないこと
があります。
面会に来た家族や、施設への来訪者が次々とやって
くる。
周りを見ると、みんな下を向いてパソコンに集中し
ています。
そんなとき、玄関でスリッパを探している人や、どこ
へ行けばいいのかわからず戸惑っている人が目に入り
ます。
私は、それが目に入ると体が動いてしまいます。
「どうされましたか?」
と声をかけて案内する。
一つひとつは、それほど時間のかかることではあり
ません。
でも席に戻って仕事を再開したと思ったら、また別
の人がくる。
その度に仕事を中断していると、今日終わらせるは
ずだった事務処理がなかなか進みません。
「気づけること」は強み。でも、それだけでは続
かない
以前の私は、こうした行動をあまり「仕事が増えて
いる」とは考えていませんでした。
困っている人がいる。
自分が気づいた。
だから動く。
それが当たり前になっていたからです。
でも、それを繰り返していると、自分が本来やらな
ければならない仕事は後ろにずれていきます。
そして一日の終わりには、
「今日もやろうと思っていた仕事が終わらなかっ
た」
という状態になる。
気づけることは、仕事をするうえで私の強みだと
思っています。
でも、気づけることと、気づいたことをすべて自分
がやることは違う。
長く働いてきて、私はようやくその違いを考える
ようになりました。
私自身が仕事を抱え込んでしまった経緯と、そこから
気づいたことについては、「仕事を抱え込む人へ」の
記事でも詳しく書いています。
👉「仕事を抱え込む人へ」
「真面目に働く人は報われる」と思っていた
私は福祉の仕事を20年以上続けていました。
以前の部署でも、空いているベッドをできるだけ
作らないように動いたり、職員が休めば、その人
の仕事を引き受けたりしてきました。
主任という立場だったこともあり、
「自分がやらなければ」
と思うこともたくさんありました。
大変でも、真面目にやっていれば、いつか報われ
る。
どこかで、そう思っていたのだと思います。
でも、異動になれば、それまでとはまったく違う
仕事が待っていました。
部署が変わったことで主任という立場からも外れ、
新しい場所では、また一から仕事を覚えることに
なりました。
そこで任された仕事も、
「ベットの空床を埋める」
「稼働率」
経歴は長いとはいえ、ここでの仕事は初めて
なのに…。
本当に大変な仕事でした。
そのとき、ふと思いました。
「真面目に働く人は、損なんじゃないか」
頑張れる人には、また仕事がくる。
引き受ける人には、また次の仕事がくる。
できるからやる。
頼まれたからやる。
誰かが困るからやる。
それを繰り返しているうちに、自分の時間や余裕は
どんどんなくなってきました。
でも今は、真面目に働いてきたこと自体が間違いだ
ったとは思っていません。
人が困っていたら動くことも、必要なことに気づける
ことも、長く働く中で身につけてきた私の力です。
ただ、自分の力をどこに、どこまで使うのか。
そこまで考えずに、求められるまま頑張り続けてい
たことは、見直す必要があったのだと思います。
経験してきたことは、自分の力として残っている
頑張りすぎてきたことを振り返ると、「もっと違う
働き方ができたのでは」と思うこともあります。
それでも、これまでの経験が無駄だったとは思いま
せん。
長く福祉の仕事を続ける中で、少しずつできるように
なったことがあります。
その一つが、先を読んで動くことです。
利用者さんの状態が悪化してから家族に連絡をする
のではなく、その前に状況を伝えておく。
何か起きてから対応するのではなく、
「このままだと、次に何が起こるだろう」
と考えて動く。
事前に家族とも情報を共有しておくことで、何かあ
ったときにも大きなトラブルや苦情に発展するのを
防ぐことがあります。
また、他職種とのコミュニケーションも大切にする
ようになりました。
介護職や看護職などと普段から話をしていれば、自分
にわからないことがあったとき教えてもらえます。
そして、自分一人では気づけなかったリスクに気づく
こともできます。
「わからないので教えてください」と言えるようになった。
今の職場に異動して、私にとって専門外だった
「介護」の現場に入りました。
最初は、わからないことも、失敗することもたくさ
んありました。
十分に教えてもらえない中で、自分で考え、失敗し
たら次はどうすればいいかを考える。
それを繰り返しているうちに、同じ失敗は少なくなり
自分で工夫したり応用したりできるようになりました。
そして、もう一つ変わったことがあります。
わからないことを、とからないと言えるようになった
ことです。
できないことを恥ずかしがらずに聞く。
自分ではできないことは、その分野の専門職にお
願いする。
介護について、自分より詳しい人がいるのは、
当たり前です。
相手から「そんなこともわからないの?」と思わ
れることがあったとしても、以前ほど人の目を気に
しなくなりました。
わからないものは、わからない。
だから聞く。
自分にできることはやる。
自分だけではできないことは、できる人にお願い
する。
それも、長く仕事を続けてきた中で身につけた力
の一つだと思っています。
私は初めて、自分から異動希望を出した
そして今回、私は自分から異動希望を出しました。
一番大きかったのは、この働き方をこのまま続ける
ことに限界を感じたことです。
仕事が終わるころには、体はクタクタ。
疲れがたまり、体が思うように動かないと感じるこ
とも増え、今では毎週接骨院に通っています。
それでも仕事は続きます。
残業も多く、家に帰ってからは、家事や子どものこ
とが待っています。
疲れすぎて、子どもの学校の予定や持ち物など、以
前なら気づけていたことを忘れることも増えました。
「仕事だけの問題ではなく、私の生活そのものに影響が出ている」
ようやく考えるようになりました。
ちょうど娘が学校での人間関係に悩むことも増えて
いた時期でした。
「今は、もう少し娘たちに時間を使いたい」
そう思うようになりました。
仕事と子育てを両立するためにも、今の働き方を続
けるのは難しい。
待っていれば何か変わるかもしれないとも思ってい
ましたが、働き方が改善される様子はありませんで
した。
もう一つ。
仕事そのものへの疑問もありました。
毎日たくさんの仕事をこなしている。
でも、このまま続けて、自分は何を身につけていく
のだろう。
社会福祉士、精神保健福祉士として積み重ねてきた
ものを、もっと活かせる場所があるのではないか。
そんなことも考えるようになりました。
異動希望を出すことは「逃げること」なのか
それでも、異動希望を出すまでには迷いました。
「逃げたと思われないだろうか」
「自分がいなくなったら、みんなが困るのではないか」
「途中で見捨てることにならないだろうか」
そんなことも考えました。
これまでの私は、ここでもまた「自分が何とかしな
ければ」と考えていたのだと思います。
でも、異動希望を出してから、考え方が少し変わり
ました。
私がいなくなった後の課題を考えるのは、私一人の
役割ではない。
一人の職員がいなくなっただけで仕事が回らなくな
るのであれば、本来考えるべきなのは、その人が辞
めたり異動したりできないようにすることではなく、
一人に依存しなくても回る体制ではないでしょうか。
そこまで私が背負う必要はない。
そう考えられるようになったら、気持ちがすっと
軽くなりました。
異動希望を出したあと、「残りの期間は頑張ろう」
と思えました。
今の仕事そのものが嫌いになったわけではありませ
ん。
子どもたちが成長して、今とは生活が変わったとき、
もしかしたらまた異動で戻ってくることがあるかも
しれない。
それも嫌ではありません。
ただ、今の自分と家族にとって、どこに時間と力
を使うのか。
今回は、それを自分で選びました。
真面目に働くことをやめなくてもいい
ここまで振り返ってみて、私は真面目に働いてきた
ことを後悔してるわけではありません。
実際に、そういう働き方しかできなかった。
困っている人がいたら動く。
必要なことに気づいたら、周りの人に教えてもらう。
わからないことがあれば、周りの人に教えてもらう。
そうやって働いてきたからこそ、身についたことも
たくさんあります。
だから、真面目に働くことをやめる必要はないと思
っています。
ただ、頑張れるからといって、全てを背負う必要は
ない。
気づいたことを全部自分でやらなくてもいい。
職場の課題まで、自分一人で背負わなくてもいい。
そして、自分の力を仕事だけに使い切らなくても
いい。
家族との時間も、自分の体も、これからどう働いて
いきたいかという気持ちも、同じように大切です。
私は今回、自分から異動希望を出したことで、
「どこまで頑張るかも、どこに自分の力を使うか
も、自分で選んでいい。」
と思えるようになりました。
もし今、「真面目に働いているのに、なぜか自分ば
かり疲れている」と感じているなら、一度立ち止ま
って考えてみてください。
今の頑張り方は、本当に自分が望んでいるもので
しょうか。
真面目さを捨てるのではなく、その真面目さを、
自分の人生のために使っていく。
今の私は、そんな働き方をしていきたいと思って
います。


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